『トゥー・ブラザーズ』

トゥー・ブラザーズ スタンダード・エディション [DVD]
カンボジア。ジャングルに埋もれた遺跡の発掘・切り出しで稼ぐ冒険家(ハンター)のエイダンだが、その遺跡は親子4匹のトラの棲み処だった。人間達が近づいてくる危険を察知し、2匹の子トラの片方を口に咥え去る母トラ。残された方の子トラは小さい体では乗り越えられない壁に阻まれ、母を追いかけることができなかった。やがて人間に見つかり、窮地に陥った子トラだが、そこへ父トラが駆け込み人間と対立する。しかし、エイダンの放った銃により父トラは死亡。子トラはエイダンに拾われる。エイダンの腕に抱かれハチミツキャンディーやらを与えられる内にすっかり子トラの警戒も解けてきたのだが、遺跡発掘から帰った村で村長の裏切り行為によりエイダンは違法発掘・持ち出しの罪で逮捕されてしまう。エイダンに懐いた子トラは、村長がサーカスに売られてしまった。その道中、人間達から逃れた母トラが車に乗せられて連れて行かれる子トラを救うために追いかけて車の荷にしがみつくが、運転手が車体を蛇行させて走らせ、母トラは子トラを救うことも叶わずに振り落とされてしまった。
留置所に入れられたエイダンの著書のファンな息子を持つ長官。おかげでエイダンはすぐに留置所を出ることができたが、事務手続きなどのため船に乗れず、2か月はこの地に留まらなければならなくなった。そして殿下がトラ狩りをするというので、そのトラの用意を任され罠を仕掛ける。その落とし穴の罠に、先日人間達から逃れた母トラと子トラが引っかかった。母トラは殿下の放った銃弾の餌食に……なったかと思われたが、耳に穴を開けただけでジャングルの奥へと逃げてしまった。長官の息子に預けた子トラはサンガと名付けられ可愛がられたが、長官の家で元々飼われていた犬を襲ってしまい大人達に「猛獣だ」と他所へ連れて行かれてしまった。一方、サーカスに売られた子トラはクマルと名付けられ、火の輪くぐりの芸を仕込まれていた。
その2匹が偶然にも再会する。闘技場でトラ対トラの見世物に出場させられるサンガとクマル。対面当初は威嚇し合い戦闘態勢だったにも関らず、接触している内に過去の記憶が蘇る。兄弟の感覚を取り戻し、やがて互いにじゃれ合うようになった。微笑みに包まれる会場だが主催側としては面目なく、サーカス団の一員が棒でクマルを突いて「戦え!」と、けしかける。2匹は人間達に牙を剥き闘技場を脱走。しばらくの間、村を闊歩していたトラを仕留めるために火が放たれ2匹を追い込むが、サーカスにいたクマルが「火は怖くないものだ」と教えるかのように自身が見本となって、火を飛び越えて逃げる。それにサンガも続いた。森の中、川で体を冷やしていた2匹のもとに現れる長官の息子ラウール。彼は「もう人間達の所へ来てはダメだ」とサンガに語りかける。そこから少し離れた場所で銃を構えサンガを狙っていたエイダンだが、そんな彼を、もう一匹のトラが近くで見下ろしていた。ゆっくり銃を降ろすエイダンに近づくトラは、エイダンの胸ポケットを鼻で指す。そこは、ハチミツキャンディーが入っていた場所だった。襲い掛かってくるでもないクマルに、エイダンは銃を再び取る気にはなれなかった。2匹の兄弟トラは、もう一匹現れたトラの後について森の奥へと行ってしまった。棲み処にしていた遺跡で過ごす3匹のトラ。1匹の耳には日の光を通す穴が開いていた。


★★★☆☆ 3/5
映像は凄いと思うけど、ストーリー的には普通。