『シンプル・プラン』

シンプル・プラン [DVD]
晦日。ハンクが失業中の兄ジェイコブとその悪友ルーを連れて母の墓参りをした帰り、キツネと犬を追って森の奥へ進むと、そこで雪に埋もれている墜落した小型飛行機を発見する。セスナの中には、パイロットの死体とバッグに詰められた現金440万ドルがあった。誰も探していないであろうと理論づけてその金を自分達のものにしようとするルーとジェイコブに真面目なハンクは警察に届けるべきだと言う。痒くもない所をかいて自分で傷を作るのはバカみたいだと言う兄達二人の説得に、雪がとけて飛行機が見つかっても誰も金のことを探していないようであれば山分けし町を出ようとしばらく様子を見る約束をし、金はハンクが預かることに決めた。帰り途中、警官カールに会い、ジェイコブは「飛行機の音がした」と話してしまう。それは自分から言えば疑われなくなるというルーの浅知恵によるものだった。
50万ドルを飛行機に戻す。大金が飛行機に積んであれば、誰も更なる金額が飛行機に積まれていたとは思わない。決して怪しまれる事もなくなる。慎重にこの現状を考えた妻サラの提案でハンクは50万ドルを飛行機に戻そうとした時、見張りをしていたジェイコブは、ハンクがいる森の中に制止を無視して入っていこうとする町人ドワイトをなんとか止めようと、つい殴り、殺してしまう。しかし、戻ってきたハンクがその死体を運ぶ途中、ドワイトは息を吹き返して……。警察を呼んでくれと訴えるドワイトの息の根をハンクは止めてしまった。ジェイコブは自首する考えをハンクに伝えるが、ハンクは自分が殺したと話し思い留まらせる。
ルーは急な入用で金が必要だとハンクにねだりに来た。渡せないと反対するハンクに、ルーはジェイコブから聞いたドワイトの話をネタに脅しだす。ハンクは二人の中立的な立場でいたいジェイコブを、ジェイコブの念願である実家の家業だった農場を買い戻す条件を飲んで仲間に引き入れ、警察の追跡から逃れる為に共犯3人の中でルーを陥れようと考える。ハンクの罠に嵌められ、ふざけてハンクのつもりになって語った自供をテープに録音されてしまったルーは、逆上し、銃を持ち出してハンクに向ける。それを救う為にジェイコブはルーに発砲してしまい……。ハンクは包丁を向けてくるルーの妻まで撃ち殺した後、この夫婦が喧嘩してお互いに撃ち合ったように隠蔽工作し、警察にも嘘の証言をした。
カールよりFBI捜査官を紹介される。飛行機について聞きたいとのこと。カールはジェイコブが森の外で飛行機の話を持ち出した事を覚えていた。後日飛行機の音を聞いたポイントまで案内する約束をした兄弟だが、サラの調査によって、そのFBIと名乗る者が実は偽者で、飛行機の中の大金の持ち主――凶悪な誘拐犯である事がわかった。死の覚悟を決めてFBIを森へ案内するハンク。なるべく飛行機から離れた所へ導こうとするが、何も知らないカールは飛行機を発見してしまい誘拐犯に撃ち殺されてしまった。駆けつけたハンクも命の危機に追い詰められるが、隠し持っていた拳銃で誘拐犯の頭部に一発撃ち込み、更に「疲れた」という兄ジェイコブもその場で殺す事になった。
警察で事情聴取を受けるハンク。残りの金も見つけ出すと宣言する捜査員から、紙幣の番号は内1/10だけ番号を記録してある、と聞かされる。つまり、どこかで金を使い、それが誘拐犯の金である事が判明すれば、今までの事が全部バレてしまうのだ。ハンクは家に帰るとサラの制止も押し切り、火をつけた暖炉の中に大金全部を捨てた。


重すぎる。罪の意識から余計な事まで考えて……っていう心理の動きは面白いが、雪だるま式に罪を重ねていくのは、観ていて止められないもどかしさも感じるし、次第に登場人物たちと観る側との感情の差がハッキリ出てきてしまう。


評価 ★★☆☆☆2/5
ハラハラものの映画。後味は悪い。