『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 [DVD]
20世紀博にのめり込んでしまう大人たち。「“懐かしい”って、そんなにいい事なのかな?」今や未来よりも過去に取り付かれる大人たちに疑問を持つ子供たち。20世紀博は現在の放つ香りに耐えられないイエスタデイ・ワンスモアの指揮者ケンとチャコの、黄金の20世紀を復活させようとする陰謀だった。そして大人たちは街から姿を消した。
子供たちだけが残された街に、夜になって20世紀博から迎えが来る。子供は親と隔離し、20世紀の匂いに染め上げてから住人にする企みだ。しんのすけたちは従わず、反抗分子として狙われることに。しんのすけたちを追うその中にはひろしやみさえも。子供にかえり自分の子とも判断できずにいる両親を、しんのすけはひろしの足(靴)の匂いで我にかえさせる。
20世紀の匂いを全国に散布されるのを阻止するために、野原一家はケンよりも早くタワーの頂上を目指す。醜く疲れ果て、ケンの足下に縋るしんのすけ。ケンたちが頂上へ着く事を防げなかったのだが、20世紀の町の住人が野原一家を見て21世紀を生きてみたくなった事で貯め込んでいた20世紀の匂いは薄れ、イエスタデイ・ワンスモアの計画実行は叶わなかった。


出だしのヒロシ・サンのシーンは、正直、万博の説明をしたいだけのようで要らない気もする。流れも地味で集中力が途切れるシーンもしばしば。しかし、最後まで観ればストーリーは全体的に面白く、そして泣ける。
現代までの記憶を取り戻したひろしの、音楽と映像だけの回想は涙もの。そして、ひろしとみさえの犠牲のなか、傷つきながらもしんのすけがタワー頂上を目指すシーンは徐々に盛り上がる音楽も手伝って鳥肌の立つような感覚をおぼえる。


評価 ★★★★★5/5
この映画の上映より少し前から、たしかに異常なくらいのレトロブームがさりげなく湧き上がっていた。社会問題に疑問を投げかけているよう。