『Ｅｌｅｐｈａｎｔ（エレファント）』

米コロンバイン高校での銃乱射事件をモチーフに、おとなしかった生徒が突如学校を銃撃する物語を人物を追うドキュメントタッチで作られたもの。
おかしな（痴呆の始まり？な）父に悩みを持つ少年ジョン。写真愛好家で人受けのいいイーライ。美男美女カップルのネイサンとキャリー。泣いているジョンに優しい言葉をかけるアケイディア。学校を襲撃しようと、通販で銃を購入したエリックとアレックス。地味でおとなしいミシェル。おしゃべりをしていつもつるんでいる３人グループ、ブリタニー、ジョーダン、ニコル。図体がよく、怖いもの知らずなベニー。ストーリーは各人物たちの章ごとに、それぞれ同時進行ながらも違う視点で進んでいく。

いつも通り普通に過ごしていくはずの日常が、いつも通り何気なく登校したはずの学校が、凄惨な光景になっていくさまがリアル。武器も持たない無防備な生徒たちをエリックとアレックスがある意味楽しみながら銃殺を繰り返していくのは戦慄もの。
同じシーンを別の視点から見た映像が３回あり、人物を追っているはずのカメラが後ろにいないことから、この作品は凝っていると感じる。（カメラが見えたら見えたで映画にならないが、わざわざ３度同じシーンを出すところが、しつこいと思ったり納得したり……。）
エリックがアレックスまで殺し、ネイサンとキャリーを追い詰めどちらを先に殺そうか、という時点で終わるのは中途半端で気持ち悪い。

評価　★★★☆☆３／５
物語の進めかたは面白いが、狙いすぎ感もある。