『トゥルーマン・ショー』

トゥルーマン・ショー(通常版) [DVD]
ドキュメント番組を逆手にとった面白い作品。胎児の頃からカメラで撮影され、一生を世界中のテレビで流されることになっているトゥルーマン。しかし彼は好奇の目にさらされている事も知らず、巨大な島のセットの中で、それこそ現実と思い毎日を過ごしていく。
番組開始当日に望まれたかたちでなく産まれたトゥルーマンはテレビ制作局の養子という事で引き取られ、用意された環境(空や海、月や太陽さえ作り物の中)で、用意された父と母、用意された友人・マーロンに囲まれ24時間カメラに監視されていることも知らずに育っていく。やがて学生になった彼は用意された彼女・メリルとの距離を縮めながらも、どこか惹かれる女性と出会い……。トゥルーマンと惹かれあうシルビア(番組内での名前はローレン)はテレビの進行上邪魔な者として引き離されてしまうが、数回目のコンタクトで彼を海辺に連れ出しこの世界が偽りであると告げる。シルビアはそれ以降トゥルーマンの前から姿を消してしまったが、トゥルーマンは保険会社に就職し結婚した今でもシルビア(ローレン)を追い求めていた。
嵐の日に自分が海に出たいと言ったせいで父を失ったトラウマから、海上を渡ることにも怯えてしまうトゥルーマン。制作側の意図通り飛行機にも恐怖を感じていたが、“ローレンはフィジーにいる”と思い込んでいるトゥルーマンは、いつか島を出て世界を見るんだという想いを抱いていた。それが、トゥルーマンの死んだはずの父親の出現で決行を決断するにいたって……。しかし、自分の行く手を阻むような出来事の繰り返しに、トゥルーマンも次第に疑いを持ち始める。自分の人生は操られているのではないか、と。シルビアの言葉は現実のものか、と。
そして、どこでされているかもわからない監視の目をうまくすり抜け、トゥルーマンは島を出た。
ヨットで海に出た彼を引き返させるべく制作サイドはトゥルーマンの命も危険にさらし人工海上に嵐を起こすが、トゥルーマンは諦めずにとうとうセットの端までたどり着いた。諦めきれない制作側トップの企画者が“ここにいれば、一生安泰で幸せに暮らせる”と言うが、トゥルーマンはそれでも外の世界へと飛び出すのだった。


たまにメリルやマーロンがCMをやってるのが笑える。看板のそばにトゥルーマンを張りつけたり、スポンサーなどの細かい部分まで拘っている。ただ、日本人をバカにしたような表現がある。
トゥルーマン以外は、大規模なママゴトをやっているみたい。コメディだが、なにか考えさせられるようなものを感じる。



評価 ★★★★★5/5
発想が面白いだけでなく、この映画の作り方も面白い。
シルビアが日本人女優の小雪そっくり。