『ストーカー』

ストーカー [DVD]
マーケット内の現像所に勤めるサイ・パリッシュは写真に対する思い入れも強く、“サービス業なのだから、一級品のものを”と、ここでの仕事に相応しくないほどの情熱を捧げていた。そこの常連ニーナ・ヨーキンスの事は、ニーナの息子ジェイクが産まれる前から知っている。そして、持ち込まれたフィルムから親しみをこめて温かく見守ってきたつもりだ。サイはこの家族に憧れていた。自分もヨーキンス一家に加わりたいという願望を持って、この家族に入れ込んでいた。
一見幸せな家庭だが、ニーナには不満があった。夫ウィリアム(ウィル)が家庭に興味を持っていないように思えて……。ある日、サイの所へ現像を頼みに来たマヤ(ウィルの部下)。サイは彼女に見覚えがあった。サイの自宅の壁に貼り詰められたヨーキンス一家の写真の内、ウィルの会社のソフトボール大会で小さく写っていた女だと気付く。しかし、彼女が持ち込んできたフィルムは、ウィルとの恋人関係を見せつけるようなものだった。サイはウィルの不倫行為に怒り、(計上に問題は無いもののプリント機械に用途不明のカウントがある事がバレ、クビになったばかりの身分だが、)職場の現像所に夜間忍び込むとマヤの写真をジェイクの写真の中に混ぜ、ニーナに間接的に忠告する。
仕事を抜け出してマヤとホテルに入ったウィルをナイフで脅し、カメラを片手に、二人が行為をするように強要して精神的に追い詰めていく。自分がとったホテルの部屋に戻ると警察が到着したのに気付き逃亡するサイだが、警察の包囲からは逃れられず逮捕される。取調室でサイの写真を確認するが、部屋のあちこちの写真ばかりで、ウィルとマヤが写っているものはなかった。


ハラハラ感はあるが、タイトルからイメージできるドロドロしたものとは異なっている内容。ニーナに恋しているわけではなく、自分も温かい家族の中にいたいという憧れが引き起こした犯罪行為で、不倫をして自ら幸福を手放そうとするウィルに対する粛清は共感できるものではない。
結局ポルノ写真を撮らなかったのは、家庭を崩壊させないためのサイの善意?意味不明。
監督が日本フリーク(アニメオタク?)なのか、ところどころで日本の色を感じられた。


評価 ★★☆☆☆2/5
寂しい中年男の幻想……。怖いストーリーを想像してるとガッカリする。