『ぐるりのこと。』

ぐるりのこと。 [DVD]
美大生時代からの腐れ縁だが、妊娠を機に結婚したカナオと翔子。翔子は出版社勤務、カナオは靴の修理屋で働いていた。そんな時、カナオの元に知り合いから法廷画家としての仕事が入り、カナオは翔子の許可も得ずにいい返事をしてしまう。法廷画家になったカナオでも生活に安定が出たわけではなく。不動産業をしている翔子の兄はバブルで儲けてなにかと放資したがっていたが、翔子は自分達だけでしっかりと器用に暮らしていきたかった。しかし、巧くいかない。翔子も本当は不器用な人間だったのだ。
子供を亡くしてしまったことに落ち込む翔子。カナオは翔子を責める事も、子供の死に涙を見せる事もなかった。心を病んだ翔子には、カナオがどうして一緒にいるのか判らない。好きな人が何を考えているのか全然伝わってこなくて……。それをカナオにぶつけた事によって、次第に互いの理解が深まっていく。徐々に翔子の心も安定してきて、寺の天井絵を描く依頼を受け精力的に絵を描いていった。


評価 ★★★★☆4/5
法廷での絵描きの視点など細かく、人の心の内の事を深く考えさせられる。
自然な夫婦に見えて、それが逆に映画らしくないのだけれど……。連れ添う二人の愛にほっこりする。(下ネタ多い)

『映画ドラミちゃん 青いストローハット』


22世紀の街で花を摘んでいたカカシの姿が気になり、ドラミはカカシの忘れていった猟銃を拾って後を追い、“ふしぎな家”という建物に入り込んだ。そこでカカシの入っていった扉を開け、異世界へと吸い込まれてしまう。その異世界でドラミが目にしたのは、お城に入れてもらえないカカシのクロウだった。お城ではオーロラ姫の結婚相手を決める舞踏会があり、以前見かけた姫に一目惚れをしたクロウは是非参加したかったのだが、同じ目的の者達に阻まれていたのだ。
ドラミはクロウに協力し、魔法がかけられている城下へ入り進んでいく。邪魔だてするライバル達を協力して追い払い、勇気を出せば怖いものは無いのだとクロウに言い諭すドラミ。やがてお城の目の前に行き着いた二人だが、クロウはその扉を開けることはしなかった。一目惚れをしたオーロラ姫よりも大事な素晴らしい友達――ドラミを得たことで満足していた。


評価 ★☆☆☆☆1/5
……ぶっちゃけ、退屈。タイトルにしたわりに、麦わら帽はほとんどストーリーと関係なかった。

『ドラミちゃん アララ・少年山賊団!』


22世紀。セワシは先祖代々のレベルを比較し、特に酷く落ち込むのび太の値と同等にレベルが低い1580年の“のびへい”という先祖をつき止めた。しかし、調査ロボットのアララが映す画像には山賊に襲われている姿が現れ……。それを見たドラミが心配して過去へと向かった。
ドラミは静香にそっくりな、お静と出会う。一緒にノビヘイを探して山へ入り込むと、ドクロ組と名乗る山賊に遭遇するが、なんとノビヘイがその仲間に加わっていた。ドラミとお静は根城に案内され、そこでの暮らしっぷりを見せられる。日照り続きで貧しく飢えた暮らしから逃げるために山賊になったというが、山賊になってもいい暮らしになったわけではない。領主はそんな村民達の暮らしに気をかける事無く、米俵のコレクションを満足そうに眺め「もっと年貢を増やそう」と、のうのうと暮らしているのに……。
ドラミが米俵を盗もうと提案し、ドラミから貰った眼鏡で勇気が湧いたノビヘイを筆頭にやり遂げた山賊団。しかし、領主の一人息子スネ丸までアジトに連れてきてしまう。腹ごなし後の農耕にスネ丸も加え大収穫を果たす山賊団だったが、翌朝、スネ丸と米俵の奪還のため、領主が家来を引き連れて峠へ乗り込んできた。相対する二組を止めに入るスネ丸。そこへ、機械の暴走により勃発した鉄砲水がスネ丸と領主を流してしまった。二人が捕まっている木は何とか崖のふちでとどまるも、少しずつ動いていて落ちるのも時間の問題で。あれだけ苦しめられた領主に手を貸すのは……と思っていた村人達だが、少年山賊団の助けようという姿勢に抵抗を振り払い協力する。
ノビヘイの活躍もあり、スネ丸と領主は命拾いした。そこを、何も告げずに未来へ帰るドラミ。ドラミのおかげで年貢も少なくなり暮らしは豊かになったと、雨の日には洪水を収拾させたドラミにそっくりな照る照る坊主を軒に下げて代々言い伝えられるようになった。
未来ではセワシがまたレベルの値を確認していた。ドラミに眼鏡も貰い向上を見せているはずが、ノビヘイの数値は相変わらず低いままだった。それもそのはず、グラフはアララの算出した運動神経のレベル値だったのだから変化が出ないのも無理もない。


評価 ★★★☆☆3/5
普通。

『映画ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』


のび太が未来デパートに注文したミニドラだが配達の際に字が汚くて読み取れず、誤って2011年ののび太の元に届けられた。しかし、すでにのび太はしずかと結婚しており、机は息子である“のびすけ”に受継がれていて……。ドラミが誤送を知ってミニドラを取戻しに来るが、のびすけは部屋にあった正体の知れないミニドラをジャイアンの息子“やさし(ジャイちび)”に譲ってしまった後だった。
ジャイちびは、スネ夫の息子“スネキ”の所に行っていた。どら焼きを与えれば道具を出してくれるようで、その道具でのびすけに悪戯を仕掛けるも逆に捕まえられてしまう。そこでドラミに返さなくてはいけないと語るのびすけだが、惜しくなり自身も遊びに加わりだした。ジャイアンが経営するスーパーの倉庫にミニドラを隠す3人だが、そこをドラミに見つかってしまった。その時、突然現れたゴキブリにドラミが怯んでいる隙にスーパー内へ逃げ込み、『迷宮プラネタリウム』で店内を広い迷路に変えてしまう。しかし、未来の道具を使って3人を追い詰めるドラミ。3人はミニドラに光エネルギーを吸収する乗り物とスモールライトを出して貰い、ドラミが迷宮プラネタリウムを片している隙に乗り込んだ。迷宮プラネタリウムが消滅する際に放たれた強い光を受け、ウミガメ型の乗り物は勢いよくスーパーの外へ飛び出してしまう。
気付くと窓の外は暗闇だった。大きな魚が通り泳ぎ、そこが海の中だと知った。エネルギーは底をつきかけ、乗り物は軋み音を出していて。水圧に押し潰されてしまうのも時間の問題だった。ミニドラの道具はどら焼きが残っていないため出して貰えず絶望を感じた時、のびすけのビー玉からドラミの通信が入った。そのビー玉はのび太が持たせていた発信機だったのだ。「海底ケーブルに沿って更に下へ潜れ」というドラミからの指示に不安ながらも従うと、のびすけ達の行き着いた海底牧場にケーブルを伝って朝日が届けられ、エネルギーを充填した乗り物は海上へと戻ることができた。無事に海上まで救援に来ていた親達と合流を果たし、のびすけ達は「楽しかった」とドラミにミニドラを返す。


評価 ★★★★★5/5
同時上映分の映画なので尺が短く、後半は急ぎ足になっててキャラが都合よく説明したりしているけれど……。
のび太ジャイアンの子供の性格が逆転してたり、口喧しいママになったしずかなんか、見どころ満載。
眩しいくらいの色彩で描かれる未来の都市風景はアイデアも面白く、楽しく観れる。さすがに「ナウい」なんて言葉は使わないと思うけど。2011年って、すぐそこ……(汗)。

『映画ドラミちゃん ハロー恐竜キッズ!!』


鳥が恐竜の子孫だという話が真実かどうか口論になり、確かめるために白亜紀に向かうセワシ、ミエキチ、アントンとドラミの4人。相変わらずセワシとミエキチの折り合いは悪く、そこでドラミが『お助け大福』という、お互いの窮地には助け合う大福を食べろと勧めるが、セワシは食べずに捨ててウルトラサウルスに食べられてしまう。その後、白亜紀の時代で迷子になり、帰れなくなった4人はマイアサウラという子育て恐竜の巣で寝泊りをする。皆で協力して卵から孵したマイスケの成長も見守り穏やかに過ごせていたが、そんな中突然、獰猛な肉食恐竜に襲われ母親恐竜は怪我を負ってしまった。
母親恐竜の怪我も治りかけ、他の土地へと移動する時期が訪れ、これを機にマイスケともお別れをし未来へ帰ろうとする4人。しかし肉食恐竜が再び現れた。怪我のせいで逃げ遅れた母親恐竜のピンチにマイスケが飛び出す。そんなマイスケを助けるために自らが劣りになっておびきだすが、今度はセワシ達が窮地に追い込まれ……。そこを、お助け大福を食べたウルトラサウルスに救われる。やがて地震が起き、地割れに落ちた肉食恐竜。そして、4人を助けたウルトラサウルスもまた、地割れに……。空を見上げれば黒雲が立ち込めていた。
噴火だと気付いた4人はマイスケの安否が気になって向かうも見つけられず、恐竜保護官の乗り物に収容されて未来へ送り帰してもらう。その車内で、マイスケは無事に新しい土地に辿り着いていると、その先の事実を教えてもらえた。


評価 ★★☆☆☆2/5
普通……でも、ドラミちゃんの頭に岩が当たるシーンは不覚にも笑った。

『ピノキオ』

ピノキオ [DVD]
ゼペットじいさんのおもちゃ屋で操り人形のピノキオが完成した晩。窓の外に輝く願い星を見つけたゼペットは、ピノキオが本当の子供になるようお願いをした。ゼペットが眠りにつくと願い星は接近し窓から入り込む。星は女神にその姿を変え、ゼペットの功労を評価しピノキオに命を吹き込んでやる。「勇気を持って生き、正直に優しく生きれば本物の男の子になれます」女神はピノキオにそう告げ、始終目撃していたジミニー・クリケットピノキオの“良心”としての役目を授けた。その晩の内にゼペットに見つかるピノキオ。ゼペットは大変驚いたが、自由に動くピノキオを喜んでいた。
翌朝、学校へ向かう途中ピノキオは悪党の狼ジョンに目をつけられ、ジミニー・クリケットが止めるのを聞かずに操り人形一座のストロンボリーの所へついて行ってしまう。ショーで大成功を修めるが家には帰して貰えず、カゴの中に閉じ込められてそこで漸く“良心”の言う事に耳を傾けておけば良かったと反省するピノキオ。救助しようとするジミニー・クリケットでも力不足でピノキオを解放する事はできず、再び現れた女神に嘘をつき鼻が伸びて。「嘘はどんどん大きくなる」という教訓を残し、女神はピノキオを解放すると姿を消した。
「いい子になる」と決心して家へ帰るピノキオだが今度は誘拐の仕事を請けたジョンと遭遇し、島の遊園地へと連れて行かれる。そこでは何をやっても怒られない。やりたい放題のその場所で、ピノキオは悪い事をするのが楽しい事だと知った。しかし夜も更け、静まる遊園地。いつしか悪い子供達は姿を消していた。そこでは悪い子をロバに変え、売りに出していたのだ。ピノキオは完全なロバになる前に島から脱出し、家に帰る。が、留守だった。青い鳥が届けてくれた手紙には、ゼペットがピノキオを探すために海に出て怪物クジラに呑み込まれたと書いてあった。
海底を歩いて進み、ゼペットを助けに向かうピノキオ。怪物クジラの腹の中で、ゼペットは飢え死に寸前だった。そんな時、クジラがマグロの大群を食べ、釣りに夢中になるゼペット。そして、マグロと一緒に呑み込まれたピノキオを釣り上げた。ピノキオの提案でクジラの腹の中で火をつけると腹の中は黒煙で満たされ、ピノキオの企みどおりクジラにクシャミをさせ無事に脱出する事ができたのだが、恨みを持ったクジラはピノキオ達を追いかけてくる。イカダを破壊され海に投げ出され、力尽き意識を失ったゼペットを引っ張ってクジラから逃げる。
ゼペットは浜で意識を取戻した。猫のフィガロも金魚のクレオも無事だった。ジミニー・クリケットも無事だ。しかし…………。家に連れ帰り、動かなくなったピノキオをベッドに寝かせて泣き伏せるゼペット。女神が現れ、勇気を持ち正直に優しく生きたピノキオに本物の命を与えられた事に気付かなかったが、本物の男の子になったピノキオを見て大変喜んだ。


評価 ★★★★☆4/5
教訓が多い子供向けの教育アニメという感じ(?)。

『カーズ』

カーズ [DVD]
レースカーのライトニング・マックイーン。彼は期待の新人ルーキーと呼ばれているが、自分と合わないスタッフをすぐにクビにするなど自分の才能に驕っている一面もあった。そのため、名声を受けても“友達”と呼べるものは一人もいなかったのだが……。カーレースの最高峰ピストン・カップが行われるカリフォルニアへトレーラーで運ばれる途中、寝ていたライトニングは不幸にも外に出てしまい、ハイウェイでトレーラーを引っ張るマックとはぐれてしまう。ライトニングはマックと思い込んだトレーラーを追って高速を下り、違う事に気付くも高速に戻る道もわからない迷子になっていた。レースカーのため無灯火で走るライトニングは発砲音のするパトカーに追われる。パニックに陥りながら、ルート66にある地図からも消えてしまった古びた町『ラジエーター・スプリングス』に迷い込み、そこで道路を破壊したのち電線に引っかかってお縄になった。
カリフォルニアへ急く気持ちのライトニングだが、シェリフは道路を直すように指示する。ライトニングの有名ぶりを知らない町人達は傲慢な態度のライトニングに嫌悪の念を示していたが、次第に町の事を理解し態度を改めていくライトニングと打ち解けるようになっていった。特に彼を改心させたのは、メーターとサリーだ。ライトニングが嫌う“錆びた車”でもあるメーターだが、ライトニングを“親友”と決めて楽しく遊びに誘ったりしてくれた。弁護士でモーテルのオーナーであるサリーは、ライトニングを町の絶景ポイントに連れて行き「昔は地形に沿って道ができていた。今は、10分でも早く到着したいために地形を切り拓いている。道路は楽しみに行くために走るのではなく、楽しみながら走るもの」そう速く走る事だけが全てじゃない、とライトニングに諭す。
道路も直し終わった頃、ラジエーター・スプリングスにマスコミが押し寄せた。元ピストン・カップで三連勝を掲げ、今はそれを隠してこの古い町で医者をしているハドソン・ホーネットの通報によるものだった。マスコミと共に町に来たマックのトレーラーに乗せられ、ろくに「さよなら」も言わないままラジエーター・スプリングスを去ったライトニング。しかし、ピストン・カップ当日、町人達は彼の応援にカリフォルニアに来ていた。横やり等レース中邪魔が入るも、ドク(ハドソン)のアドバイスを受け、町のタイヤ屋のグイドの素早いピッティングで上位3位に残る。が、ラスト一周をトップで走っていた彼は後方で王者キングの事故があったのを知り、走るのをやめてしまう。ゴール直前でストップしたライトニングの横をスルーするチック。彼こそ、キング・ストリップに接触し事故を起こさせた張本人だ。ライトニングはコースを戻り、キングを押してゴールした。
優勝を逃したライトニングだが賞賛の声は高く、スポンサーも優勝を手にしたチックに声をかけずにライトニングに是非!と言ってくるほどだった。しかし、ライトニングはそれに断りを入れる。今の自分があるのは今までついていたスポンサーがいての事だ、と。そしてライトニングは友情も大切に、ラジエーター・スプリングスの名を世に広め、その名を地図に戻す事に成功した。


評価 ★★★★★5/5
大人が観て面白いストーリー。映像も、アニメという事を忘れさせるくらいCGがリアルで綺麗。
吹替声優にタレントを起用しているが、白ける事なく観れる。逆に驚くくらいマッチしている。